『长篇故事・2ch』我和宅与公主殿下(十九)
553 名前:70 ◆DyYEhjFjFU sage 投稿日:04/10/02(土) 01:59:46
缶コーヒーは姫様が弟へ、小遣いのぜんぶを使って買ってあげた
誕生日のプレゼントだった。
ところが姫様も途中で飲みたくなって、結局は半分づつ飲むことになったのだとか。
弟は空になった缶をやしろの天井に放りあげ、ゴミ箱には捨てなかった。
弟がなぜ必死になって天井へ投げようとしてたのか当時は不思議だったけど
いまになって考えてみると、なんとなく分からなくもない。と彼女は言った。
罐装咖啡是公主用全部零花钱
买给弟弟的生日礼物
途中公主也有点想喝,最后两人一人喝了一半。
弟弟没有把空了的罐子扔到垃圾桶,而是抛向了天花板
当时很奇怪弟弟为什么拼命地想要扔到天花板上
现在想想,总觉得也不是不能理解。她说
天井を壊すからと注意したにもかかわらず弟は缶を投げ続けた。
聞き分けのよかったはずの弟が投げ上げた缶は、外れた板と板の隙間から天井へ突き抜け
太陽の絵に乗っかってとまった。
もう充分。と彼女は言った。
帰ろう。東京へ。
ぼくらは県道を横須賀駅目指して、てくてく歩いた。
都心を離れると、冬の風はとても冷たい。
ゆるくひっかけた彼女の指だけに温度があった。
この土地を訪れてみると、今度は東京のあのホテルの部屋が存在感を失う。
尽管她告诉弟弟不要那么做,会弄坏天花板的,但弟弟也还是一直扔
一直很听话的弟弟扔的罐子,穿过脱落的板与板之间的缝隙
卡在了太阳的画上
已经足够了。她说
回去吧,回到东京
我们沿着县道向横須賀站慢慢的走着
离开首都中心,冬天的风非常冷
她的手指还有些温度
来到了这片土地以后,这次东京的那个酒店失去了存在感
おかしなものだと思う。
ぼくの斜め後ろを歩いてついてくる彼女。
うつむきかげんで、左手にはクマをしっかり握りしめている。
長い髪が突風にあおられて右へ左へ激しく揺れる。
空き缶はちゃんと持ったのかな。
鼻水がとまらないね。
ホテルに戻ったらヒーターを最強にセットして眠ろうな。
その前に何か食べなくちゃな。
我觉得很奇怪
跟在我斜后方走着的她
微微的低着头,左手紧紧地抓着小熊
长长的头发被突然的风左右吹动着
空罐子有好好的拿着么
鼻涕停不下来呢
回到酒店之后把暖气开到最高睡吧
不过在那之前必须吃点什么呢
頭をフル回転させてみたけど、ろくな考えが浮かばなかった。
ぼくは彼女になにもしてあげることができない。
今夜だからこそ彼女の笑顔が見たくなったのに、ぼくの頭は空回りするだけだった。
なんとかして彼女の笑顔を見なくちゃいけない。
そうしないと、ぼくはまた姫様を求めてしまうだろう。
あのやしろの天井画のように滅茶滅茶に壊してやりたくなるだろう。
なのに、ぼくの頭は空回りするだけだった。
ずっとずっと空回りするだけだった。
试着让大脑运转,但想不出什么靠谱的主意
我什么都无法为她做
明明正因为是今晚才想看见她的笑脸,我的脑子里却空白一片
不做点什么让她笑出来可不行
不那样的话,我又会对公主产生欲求的吧
就像那个神社天花板上的绘画一样想要破坏掉吧
明明是这样,我的大脑却只是空转着
不停不停地空转着
586 名前:70 ◆DyYEhjFjFU sage 投稿日:04/10/03(日) 01:22:55
横須賀駅は利用者の多い割にこぢんまりしていてぼろい。
日が落ちてしまうと商店街に混ざって、はじめて訪れたものには駅らしく見えなかったりする。
ぼくらは駅間近の海岸沿い直線コースのどこかで立ち止まり
潮の匂いを嗅ぎ、汚れた海面に反射する光の束をじっと眺めた。
この頃には寒さが直接皮膚にまで浸入していて、コートの内側にさえ温度がないように感じられた。
彼女の手も顔も海からの風に撫でられて真っ白。頬の赤みもない。
ぼくは彼女の指先をなんどもこすって摩擦で熱を戻そうとしたけど効果はなかった。
横須賀的乘客比较多,车站却比较整洁
日落之后和商业街混为一体,对初次到访的人来说难以分辨出这是车站
我们伫立在车站边某处海岸的公路上
呼吸着潮湿的空气,眺望着反射在污浊的海面上的光芒
这个时候已经是寒冷入骨,让人觉得就连大衣里面都没有温度了
她的手和脸也被海上的风吹拂着变得苍白,脸上一点血色也没有
我搓了她的手指好几次想靠摩擦稍微恢复一点温度,但没有效果
ポケットから指を出し、外気に触れたとたん感覚がなくなる。
彼女の頬を触っても自分の指先に触感がなく、
頬は冷凍されたあと常温で自然解凍された肉みたいな不自然な柔らかさだった。
「夜景きれいだね」と彼女が言った。「あの光にジャンプしたらすぐ死ねるかな」
「1分で死ねるかもね。充分に冷えてるし、あまり苦しまないでいいかもしれない」
彼女が本気で海へダイブするとは思えなかった。
ひどく落ちこんでいて、感傷的になってるのはわかるけど
そんな思い詰めた雰囲気でもなかった。
从口袋里把手伸出来,刚接触到外面的空气就失去了知觉。
就算触碰她的脸自己的指尖也没有知觉
脸上就像冷冻之后被常温自然解冻的肉那样有种不自然的柔软
「夜景真漂亮呢」她说。「朝向那道光跳过去的话会马上死掉吗」
「可能一分钟就可以死掉呢,足够冷,也不会太痛苦,或许这样不错」
我不觉得她是真的想跳下去
我知道她只是非常失落,有些感伤
不是那种想不开的感觉
彼女がジャンプするならいままで何年もそのチャンスはあったはずだ。
ぼくは彼女の気が済むまで付き合った。
彼女の足が駅へむかって動き出すまで長いことそこに佇んだ。
「ねえ。ヒロ」
「ん?」とぼく。
「もしいっしょに死んでって言ったら、どうする?」
ぼくは笑った。
「死なないよ。絶対に。ぼくはお姫様を東京へ連れて帰る。あのホテルで暖かいコーヒーを二人で飲みたいから」
她如果想跳下去的话这些年来应该有很多机会
我直到她腻烦为止一直陪着她
直到她再次迈开步伐走向车站前,在那里伫立了很长时间
「呐,弘」
「嗯?」
「如果我说跟我一起去死,你会怎么做?」
我笑了
「绝对不会死的啊。我会把公主带回东京,因为我想两个人在那个酒店里一起喝热腾腾的咖啡」
彼女はようやく歩きはじめた。
クマを海に向かって突きだし、ちっちゃなフェルトの腕をつまんで海にバイバイさせた。
そのときぼくは、ここへ来る途中利用したタクの運転手を思い出した。
あのおっさんの話だと、この直線コースの先にたしかラーメン屋があるはずだ。
美味いかどうかなんて、この際どうでもよかった。
ラーメンのスープはどんな不味い店で食べたって熱いはずだ。
道の先に横須賀駅が見え、その手前に記憶してた店の名をみつけたとき、彼女も黙ってぼくを見つめた。
她终于再次迈开步伐
把熊朝向大海,抓住它毛茸茸的小胳膊对着大海说再见。
这时,我想到了来这里时的出租司机。
按那个大叔说的,这条直线公路的前面应该有一家拉面馆
这种时候,好不好吃已经不重要了
就算是多么难吃的面馆,拉面的汤也应该是热的
道路前方看到了横須賀站,在那跟前儿看到店名时,她也沉默地看向我
ぼくらは言葉を交わさないまま店のドア目指して早足で歩いた。
意外にもラーメンは美味かった。
彼女は熱いスープをふぅふぅやりながら、鼻をすすり
「ありがとう今夜」と言ってから、またぐずぐず泣きはじめた。
我们甚至不需要询问互相的意见,就朝着店门快步走了过去
拉面出乎意料地好吃。
她呼呼的吹着热腾腾的汤热气,擤着鼻涕
「今晚谢谢你」说完又慢慢的哭了起来
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最后两个人还是要分别么…看到现在也觉得没那么重要了吧